
家庭の掃除に重曹やクエン酸を使う、いわゆるナチュラルクリーニングはかなり一般的になってきたかと思います。
そんなナチュラル洗剤の1つである、アルカリ電解水は聞いたことあるでしょうか。
「どこかで聞いたことあるけど、使ったことはない」、「結局は水でしょ?本当に汚れが落ちるの?」という方も多いのではないでしょうか。
実はアルカリ電解水は99%以上が水でできていますが、重曹やセスキ炭酸ソーダより強い洗浄力をもっっており、1本あればいろんな掃除に使える高コスパ洗剤なんです。
今回はアルカリ電解水とは何か、その効果はどのようなものかを解説したいと思います。
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アルカリ電解水とは電気分解した水のこと
まずはアルカリ電解水とは何なのか、について説明したいと思います。
中学生の理科の実験でやった電気分解を覚えているでしょうか。
水に水酸化ナトリウムを溶かして電流を流し、水素と酸素を発生させる、というものです。
アルカリ電解水は、この電気分解を利用して作られています。ですので、アルカリ電解水にも水酸化ナトリウムがほんの少しだけ入っています。
水の電離式は「H2O→H++OH-」です。
ここで電離したOH-が多く含まれる部分を集めたものが、アルカリ電解水です。
【ワンポイント】
- OH-とは水酸化物イオンのこと。水溶液中の水酸化物イオンが多いと、その水溶液はアルカリ性を示します。
アルカリ電解水の効果
それでは次に、アルカリ電解水の効果について説明していきます。
アルカリ電解水の効果は、油汚れや皮脂汚れを落としやすくすることです。
しかし、ここで疑問が生まれます。
アルカリ電解水は99%が水でできており、界面活性剤など通常の洗剤に入っている成分はありません。ではどのようにして、汚れを落としているのでしょうか。
その答えは、中和とケン化です。
油汚れや皮脂汚れは、アルカリ成分と反応すると石鹸化します。これを中和やケン化と言います。
この性質を利用して、アルカリ電解水は汚れを落としているのです。
→ アルカリと油汚れ・皮脂汚れの反応については、次の記事もご参考ください。
油汚れや皮脂汚れに効果があるため、アルカリ電解水が1本あれば、キッチン周りや家具・フローリングなど、いろんな場所の掃除ができます。
また、界面活性剤不使用なので、水で流したり二度拭きしたりする必要はありませんので、掃除も効率的に進みます。
【アルカリ電解水の効果と特徴まとめ】
- 油汚れや皮脂汚れを落としやすくする
- 界面活性剤を使っていない
- 二度拭きが不要
- 環境にやさしい
アルカリ電解水の洗浄力は?
それでは肝心の、アルカリ電解水の洗浄力はどれほどなのでしょうか。
ナチュラルクリーニング洗剤の洗浄力の指標として参考になるのが、pHの値です。
pHとは水素イオン濃度のことで、0から14までの値があります。7を中性として、数字が大きいほどアルカリ性は強くなり、逆に数字が小さいほど酸性が強くなります。
ここでアルカリ電解水と、重曹・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウムのpHとを比較してみました。
重曹 | セスキ炭酸ソーダ | 過炭酸ナトリウム | アルカリ電解水 | |
---|---|---|---|---|
pHの値 | 8~9 | 10前後 | 11前後 | 12~13 |
アルカリ電解水のpHが最も高いですね。
つまり、アルカリ電解水は汚れを落とす力が、一番強いということです。
ただ水溶液中のH+とOH-のバランスでpHは変動するので、pHはあくまで参考としてとらえてください。
またpHが高いということは、肌への刺激も強いです。
アルカリ電解水が水でできているからと言って、決してお肌に優しいというわけではありませんので、注意してくださいね。
除菌の効果もあるが…
アルカリ電解水には除菌の効果もあると言われています。
多くの雑菌は、pH7~8の環境が最適とされています。ですので、pHの高いアルカリ電解水を使えば、菌の繁殖を抑制することができるわけです。
しかしアルカリ電解水の除菌効果について、過信は禁物、おまけ程度のものと考えておきましょう。
なぜならアルカリ電解水の除菌効果は、その効果が確立されたものではないからです。
事実、厚労省のホームページを見ても、消毒や除菌については、アルコールや塩素系漂白剤・石けんでの手洗いが推奨されており、アルカリ電解水の記載はありません。
あたかもアルカリ電解水が、新型コロナウイルスやノロウイルス、O-157やサルモネラ菌の除菌に効果があるようなことを書いている記事もあります。
しかし消毒や除菌については、アルコールの使用や、食品の加熱・手洗い等をしっかり行うことが最も効果的です。
アルカリ電解水は肌への刺激が強いですので、手指の消毒・除菌に使ったりしないでくださいね。
アルカリ電解水の使用方法
ここからは、アルカリ電解水の使用方法について説明していきます。
アルカリ電解水は、油汚れや皮脂汚れに強く、界面活性剤を使っていないという特徴から、実に様々な場所の掃除に使用できます。
【アルカリ電解水が使える場所】
- レンジ、グリル、調理台、IH調理器具などキッチン周り
- 冷蔵庫内外
- キャビネット
- 照明器具
- フローリング
一方で、使用できないものもあります。アルカリと反応して腐食したり、塗装が剥げたりする可能性があるものです。
- アルミニウム、銅、真鍮、貴金属等
- 畳、革製品、漆器、木製のものなど、水分が染み込む材質のもの
- 自動車等の塗装面、液晶画面、クリアーコーティング製品
アルカリ電解水の具体的な使い方については、次の記事で詳しく説明したいます。
まとめ
アルカリ電解水は、1本で色んな場所の掃除に使える万能洗剤です。
界面活性剤を使用していないので、面倒な二度拭きも不要で、環境にやさしいナチュラル洗剤です。
1つ持っていれば、毎日の掃除にきっと役立つはずです。
ぜひ、ご参考に!
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