クエン酸はなぜ掃除に使えるの?クエン酸の性質を化学的に説明

クエン酸は、重曹と並びナチュラルクリーニングの代表格です。クエン酸を使えば、重曹では効果がない水垢汚れやトイレの嫌な臭いも消すことができます。しかし、なぜクエン酸にそのような効果があるのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クエン酸とは何なのか、その性質と効果・使い方を解説します

クエン酸とは柑橘類のすっぱい成分

レモン

クエン酸とは、レモンやみかんなどの柑橘かんきつ類や、梅干しに含まれているすっぱい成分のことです。レモンの親戚であるシトロンの漢名”枸櫞くえん”を名前の由来としています

クエン酸は広く食品添加物として使用されており、酸味料としてや、変色や腐敗を抑えるためのpH調整剤として、清涼感を与える効果もあるため清涼飲料水にも含まれています

他には、痛風など高尿酸血症の治療薬としても使用されます

クエン酸はこれほど私たちのまわりに溢れている物質なので、掃除にも安心して使用することができます

クエン酸は酸性

クエン酸は酸性です

酸性には、酸味がある、青色のリトマス紙を赤色にする、金属と反応して水素を生じさせるなどの性質があります

代表的な酸としては塩酸や硫酸、炭酸があります。私たちが食事をしたあとに胃で分泌される胃酸も酸の1つです

酸性の濃度はpH(ピーエイチ又はペーハー)で表され、pHの値が小さいほど酸性の性質が強く、pHの値が大きいほどアルカリ性の性質が強くなります。pHの値は水溶液中のH+(水素イオン)とOH-(水酸化物イオン)のバランスで変動するので絶対的なものではありませんが、身近なもののpHを図で表してみました

pH図

クエン酸のpHは2くらいです。0に近いほど酸性の性質が強いので、意外と強い酸性だなと不安に思った方もいるのではないでしょうか

しかし、クエン酸はそもそも弱酸ですので、クエン酸を水にたくさん溶かしてpHを上げても、強酸である塩酸や硫酸のような危険性はありません。酸そのものの強さが違うのです

クエン酸はすでに述べたとおり、食品添加物や医薬品としても使われているので安心して使用できるものなのです

クエン酸の 効果

シンク

クエン酸には、シンクやお風呂などの水垢やトイレの尿石(黄ばみ)を落としやすくする効果があります

水垢や尿石は炭酸とカルシウムが結晶化したものです。クエン酸に含まれている水素イオン(H+)は、この炭酸カルシウムを溶かす力があるため、水垢などの掃除に適しているのです

また、トイレやタバコの臭いを中和する効果もクエン酸にはあります

クエン酸が、トイレやタバコの嫌な臭いの原因であるアンモニアと中和反応を起こし、くえん酸三アンモニウムに変化します。くえん酸三アンモニウムは無臭ですので、これが消臭効果につながるというわけです

なお、料理用のお酢もクエン酸と同様の効果がありますが、お酢には独特の匂いがあるため、掃除用として使うならクエン酸のほうが使いやすいでしょう

クエン酸の使い方

クエン酸スプレー

クエン酸は、クエン酸スプレーとして使用する方法と、粉末のまま使用する方法があります

クエン酸スプレーとして使う

基本的にはクエン酸スプレーとして使います

クエン酸スプレーは、キッチンやお風呂の水垢落とし消臭剤など幅広い用途に使用することができます

【クエン酸スプレーの作り方】

水200mlに、小さじ1杯のクエン酸を溶かす

クエン酸は水に溶けやすい物質なので、水に溶かす量はおおよそで問題ありません

クエン酸スプレーを使っているとむせることがありますが、酸っぱい成分が鼻や喉に刺激を与えているだけで、クエン酸に有毒性があるわけではないので安心して使用してください

粉末のまま使う

クエン酸を粉末のまま使用する例としては、電気ケトルの掃除があります。電気ケトルに大さじ1~2杯程度のクエン酸を入れて水を沸騰させれば、簡単にケトル内に付着した水アカ汚れを落とすことができます

他にも、重曹の粉末にクエン酸の粉末をかけて水を加えることにで発泡させることができます。この発泡作用を使って排水口の掃除をすることもできます

クエン酸を使った電気ケトルや排水口の掃除については、こちらの記事もご参照ください

クエン酸を使用する際の注意点

まぜるな危険

クエン酸を使用する際には、下記の4つに注意してください

  1. 塩素系の洗剤と混ぜない
    これはクエン酸に限らず、酸性洗剤すべてに言えることですが、クエン酸を塩素系漂白剤などの塩素系の洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生します
    塩素ガスは毒性が強いため最悪の場合死亡する可能性もあります
    塩素系洗剤のパッケージには必ず「まぜるな危険」と書かれていますので、洗剤を使用する前に必ず確認しましょう
  2. つけ置き洗いは厳禁
    水垢を落とすためのクエン酸を使ったつけ置き洗いは、水垢よりガンコな汚れを生む可能性があります
    クエン酸は、水垢の主成分であるカルシウムと反応しクエン酸カルシウムを生じさせます。クエン酸カルシウムは水に溶けにくい物質なので、これが定着すると水垢よりも厄介な汚れになります
    水垢落としの際には、つけ置き洗いをせずに最後は十分な水で流しましょう
  3. 大理石や鉄製品には使わない
    大理石や真珠・天然石などにクエン酸を使うと、主成分である炭酸カルシウムを溶かしてしまい劣化が早まります。また、鉄製品もさびやすくなるため使わないようにしましょう
  4. 保存は湿気のないところに
    クエン酸は吸湿性が高い物質です。そのため湿気の多いところに保存すると固まってしまいます。できるだけ湿気の少ない場所に密閉された容器に入れて保存しましょう

まとめ

クエン酸は、水垢やアルカリ性の臭いに効果があり、重曹とも組み合わせて使うことができる優秀な酸性洗剤です。くれぐれも、塩素系洗剤と混ぜないように細心の注意を払って使用してくださいね

ぜひご参考に!

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