
界面活性剤は多くの家庭用洗剤に含まれている成分です。みなさん一度は聞いたことがあると思います。
では何のために界面活性剤が使われているのかというと、はっきりと知らない方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、界面活性剤とは何なのか?その性質を分かりやすく解説しようと思います!
読み物程度に見てもらえたら嬉しいです。
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界面活性剤の4つの性質
界面活性剤には、大きく分けて4つの性質があります。
【界面活性剤の4つの性質】
- 乳化と分散
- 浸透
- 起泡と消泡
- 洗浄
これらの性質は、多くの場面で役に立っています。
それでは1つずつ見ていきましょう。
【乳化と分散】混ざり合わないものを混ぜる
世の中には、水と油のように混ざり合わないものがたくさんあります。
これら、本来混ざり合わないものを、混ざるようにすることを乳化といいます。
乳化 → 本来混じり合わないものが混じり合うこと
分散とは、粉状のものを均一に水中に散らばせることです。
通常、粉状のものを水に入れても水面上に浮くだけですね。
分散 → 粉末を水に散らばらす作用のこと
これら乳化と分散の性質を界面活性剤は持っていますが、具体例を見てみましょう。
乳化と分散を利用して作られているものに、マヨネーズがあります。
マヨネーズは酢と油で作られますが、酢と油は本来混ざり合いません。
しかし原料の1つである卵黄が、両者を混ぜ合わせる役割を持っています。
卵黄に含まれるレシチンは水にも油にも溶けるため、両者をつなぎ合わせることができるのです。
つまりレシチンは界面活性剤の一種と言えるのです。
また、カップラーメンにある「○○の素」をお湯に混ざりやすくするためにも、界面活性剤は役立っています。
乳化や分散を行うために使われる界面活性剤を特に、乳化剤や分散剤といいます。
【浸透】染み込みやすくする
葉っぱの上を雨水がツーっと伝っていったり、防水素材の服が水を弾くのを見たことがるでしょうか。
水は分子同士のつながりが強いため、葉っぱや服の繊維になかなか入り込んでいかないんですね。
しかし界面活性剤が溶けた水だと、葉っぱや服にも染み込んでいきます。
この繊維に染み込みやすくする性質を浸透といいます。
なぜ浸透するかというと、界面活性剤が水分子同士の結びつく力(表面張力)を弱めているから。
この性質は例えば、農薬の浸透性を上げることに役立っています。
植物の葉が農薬を弾いてしまわないように、界面活性剤の浸透効果で農薬をうまく吸収させるているのです。
このようなケースに使われる界面活性剤は、展着剤や固着剤と言われます。
【起泡と消泡】泡立ちをコントロールする
起泡とは泡立ちを良くする性質で、その泡も壊れにくいものになります。
例えば、洗顔料で泡を生じさせることで肌へのダメージをやわらげたり、シャンプーをするときに指通りを良くしたりすることに役立っています。
消泡は逆に泡立ちを抑える性質のことです。
これは工事現場で使われる塗料など、泡立ちがあると不都合なときに利用されます。
泡立ちがあるとムラができてしまい、見栄えが良くありませんね。
そんな時に、消泡作用を持つ界面活性剤は役に立っています。
【洗浄】汚れを落とす
洗浄作用は言わずもがなですね。
その名のとおり、汚れを落とす作用のことです。
だからこそ多くの家庭用洗剤には界面活性剤が含まれており、工業製品でも幅広く使われています。
洗濯を例に挙げると、界面活性剤が布と汚れの表面を濡らし、しみ込んで汚れをはがし、さらに汚れを乳化・分散させて取り除く効果があります。
洗浄作用は、上の3つの性質を総動員しているんですね。
→ 界面活性剤が汚れを落とす仕組みを図を使って説明しています。
まとめ
界面活性剤は、今回説明した4つの性質以外にもいろんな性質を持っています。
ただ全てを知ることは大変ですし、普段の生活には必要ありません。
この記事の内容を知っていれば、日々のお掃除も楽しくできるのではないかと思います。
ぜひ、ご参考に!
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